今月のトップ詩。::LOG
旧投稿詩厳選レビューと過去の『今月のトップ詩。』掲載作品の過去ログ集。飛び込みの感想・批評レス歓迎。返信ボタンから是非投稿を! |
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破壊 投稿者:古道箕鷹 さん 投稿日:2002/07/07(Sun) 23:28 No.19 | <HOME> |
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ひとつ 壊したもの 君がくれたワイングラス
ふたつ 壊れたもの 君が忘れてったクリスタル
みっつ ・・・壊したの? ・・・壊されたの? 君が・・・? 僕が・・・?
理不尽なほどに砕かれた愛 紅い雫が艶かしい・・・
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即興詩板(連環する盲点でのコンテンツ名は『余興』。ちなみに共有コンテンツ)。 連盲って一応感想用の掲示板も置いてたんだけど参加者以外はただ展開を見てるだけしかなかったので運営を始めてまもなくの頃に連盲っぽくってとにかくバカ企画が欲しいなぁって思ってたんですよ。企画に参加してない人も連盲っぽい雰囲気でサイト内を遊んで欲しいなってのもありまして。 連盲の趣旨が「順番に指定されたタイトルで詩を書こう」だったので、ランダムに表示される指定タイトルでの投稿を受け付けて、時折変なタイトルが指定される投稿板って結構おかしいかもしれない。と思って年末に作ったのが即興詩板の馴初め。最近ウチの投稿コンテンツの中で一番勢いのあるコーナーでもありまして。
で。導入がめっちゃ長かったけれど、最近F.y.から選んでるので今回のピックアップはその即興詩板から古道箕鷹さん作の『破壊』。
詩に限らず文章を残すって言うことはなかなかに侮れないもので、よくその人の作風とかが分かるって言うけれど、それだけじゃなくてその人柄とか文を残すことへの姿勢とかが案外分かっちゃうもの。古道さんはウチの最古参クラスの常連さんで、その分何度となく作品を投稿いただいてる都合、作品だけで意外と「あ。古道さんだ」ってすぐ分かる。
詩中で語られている話が特別に斬新だったりするわけではないけれど、古道さんってサイトでも中国史作品を扱われている通りに硬質な言葉遣いで、こうして作られる雰囲気が詩の中で扱われるワイングラスであったりクリスタルの透明感や硬さ、そして同時に脆さにマッチしててグー。
『破壊』という指定タイトルと比してストレートに伝わってくるような激しさはなくて、遠慮気味というか、あえて言うなら「崩壊」に近いようなニュアンスで伝わってくる世界観が静かに、んー…、なんとなく砂で作ったものがざぁーと崩れていくような。 素材としてワイングラスやクリスタルが使われてて締めも
> 理不尽なほどに砕かれた愛 紅い雫が艶かしい・・・
っていう感じでイメージとしてはガラス製のものが派手に壊れるような感じを想像しがちなんだけど、詩で描かれている舞台や場面そのものは違うのね。全部過去形だから。その後の話。というか。 そう考えるとテーマと詩で扱われている素材にアンバランスな部分があって、悪く言うと意外と素材が活き切ってないとも受け取れるんだけど、意図的であろうとなかろうとこの不安定感が実はこの作品のウリなんじゃないかな。全く安定した結末なんてないんだよ。みたいな。
個人的には三点リードはなくて良さげなんだけど。 |
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