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はじめからおわりまで 投稿者:弥栄直樹さん 投稿日:2002/12/08(Sun) 02:19 No.25  
そして最初にはじまるおはなし
あとにもさきにもはじまりこれだけ
今だけ少し静かにね

はじまるおはなし最初が今ね
今はこれだけ動かずに

はじめのことばは耳あたらしく
ほかしる人もみなここに
耳あたらしくにいて眠るよう

ききてききてねむるころ
ここいぬ人にもわかるはず
かれがそのとき かれがそのとき
そこにいるよ そこにいるよ

はじめ皆はそこにいた
人好きかれそこにいた
皆ひとりで遊ぶころ
かれいうはなしもう飽きて
遊び教える人教わりに
かれしらぬ物もちでかけていった
それ上からみて左手のほう
かれ上からみて右手のおく
とおくだからちいさくみえる
とおくにいくほどそうみえる

よくきく友達のもよくよくしって
よくきく歌声でさそいうた
きれいなのよくしる友達は皆のため
またここにおいでといつまでも
おはなし続く今までも

離れたとこから続くおはなし
きくひと語られる人皆こういう
これ終りあるのかと
これ終りいつなのか
それしるかれしかわからない
かれにきかなきゃわからない
そのおはなし友達よくうたうけど
ここまでもうとどかない
きく皆しらぬから
きこうとせずにまたわがみち
とおる道は先にある
あるきやすいようもうすでに

かれ皆そこにいて
おお皆そこにいて
はじめのはなしききたがる
はじめのはなしききたがる
そうなるように そうなるように
友達うたえど離れてく
かれは友達したがえて
幾度もいったがしらぬふり

はなしおはなし物語る
物語るのは皆のこと
はなれていった皆のこと
おはなしおはなしおわるころ
皆のおはなしおわるころ
かたりべ通じていわれるよ
最後のはなしは皆のため
どんなになっても皆のため


Re: はじめからおわりまで Aya-Maidz. - 2002/12/08(Sun) 02:20 No.26  

掲載予定日時が刻一刻と過ぎて行ってます(苦笑。

今回はFor youに投稿された作品から弥栄直樹さんの『はじめからおわりまで』。この作品、たまたまF.y.の投稿板の後ろのログから順々に読んでた時に目が止まって、レスを入れようかと思いながらもじっくり読み入ってる内に過去ログへと流れてしまった作品。
実のところは随分後ろの方に流れていて、過去ログへ行く前までにレスを入れられる自信がなかったものの、どうしてもレスを入れてみたい作品だったのでほぼ即断にこのコーナーで何か書こうという感じなのですが。

では改めて。
言葉の遣い方や雰囲気、ひらがなの比率から受ける印象、全体的な話の筋、一読してそういった部分から御伽噺や童話っぽいな。と感じたのでした。

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おとぎばなし【御伽話・御伽噺】
2 子供に語って聞かせるための昔話や童話の類。

どうわ【童話】
童心を基調として児童のために作られた物語。民間に伝承されていたお伽話や英雄譚、伝説、説話、寓話(ぐうわ)などを含む。

ぐうわ【寓話】
教訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話。

<引用元>
Microsoft Bookshelf Basic Version2.0
国語大辞典(新装版)(c)小学館 1988
----------

特にたとえ話として捉えた際に話の筋そのものが一つの大きな喩えとはなるものの、狭義的に作品を見た場合、これと言って難しい比喩があるわけでもなく、そういう意味において平易に読める作品なんだけど、一読して受ける印象の割りには話の筋を具体的なイメージとして脳裡に描けなかったんですよね。

というのも、これは私が「御伽噺や童話っぽい」と感じたのは弥栄さんが意図的にそうしたからだと思うのですが、“語って聞かせる≒口語”の形をとった結果、ところどころで助詞や目的語が欠落して一節一節の関係が見えにくくなっているんです。

改めて考えてみると「話す〜聞く」の場合はこれで十分通用するのが不思議な気もするんですが実際はイメージしようとする形が「聞く」と「読む」の場合で異なるだけで、そういうわけで読んだイメージもすごく抽象的な印象を感じるんですよね。ただ、そのイメージが私には面白かったんです。


> そして最初にはじまるおはなし

という冒頭で打たれた一つの点。この始点から無数に分岐しながら広がっていく線のイメージ。『伝承』『伝唱』『伝心』『伝世』『伝存』『伝播』…、etc.“伝”という一つの形。具現化。

> あとにもさきにもはじまりこれだけ
> 今だけ少し静かにね

から始まるおとぎばなし。

絶え間なく連続する『現在』。

誰かのために語られ

誰かへつたわり

誰かを

成す。


イメージ かえで - 2004/01/20(Tue) 08:26 No.50   <HOME>

弥栄さんのイメージって私の中じゃ”冷淡”、とにかく冷たい。
これを読んだとき、「え、えっ、なんだこりゃ。」
とびびりました。
なんて、優しい詩。
今の弥栄さんのイメージとなら繋ぐことがうまくいきます。

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