あなたが全部くれたんだ
全部に色をくれたんだ
褐色に見えてたものが
とてもきれいに見えるんだ
あたしがあたしじゃないみたいに
あたしがあたしじゃなくなってゆく
あなた　すごいよ
ほんと　すごいよ
あたしの世界のどこからか
不思議な色があふれだす
そんなの見たことないような
やさしい気持ちがあふれだす

うおのめ文学賞の作業などで予告もなく一ヶ月お休みいただいてました『今月のトップ詩』のコーナーですが、今月からまたまったりと再開。飽くまでもまったり。と。一応当面はタイトル通り“今月の”は維持していきたいところですが……。

んで。今回取り上げる作品は03さんの『あなたが色を』。

技術的にどぅっていうのは特にないので細かい部分をつつくといくつか思うところもあるますし、伝えたいという筆者の感情一辺倒で一方通行な感じも受けますけれど、純粋・素直な感情が言葉に置換されたからといってスポイルされずに伝わってくる、小気味の好い作品だな、と思います。

その中でも

> あなた　すごいよ
> ほんと　すごいよ


伝えたい感情の核となる部分は一番にここになると受け止めましたけれど、言葉にならない想いをそれでも伝えたい!!っていうのは分からなくもないのですが、逆にそれをどう伝えるかをもっと詰めてみても良いかなと。それがしてみる／してみない、それだけで作品から受ける印象・インパクトはまるで変わってくるものなの。

好意的に捉えると引用した部分以外の箇所が核となる部分を修飾・補足するために添えられた言葉だろうけれど、もっと、もっと伝えるという行為に対してチャレンジしてほしい。

伝えたい感情はすごいの一言で片付けられるような軽い感情じゃないはずなんだから、さ。