Life is a Flower.

詩の話とかWebっぽい話とか、とにかく雑多に。

2006年09月02日

奨励賞とか。@うおのめ文学賞

今回のエントリー作はうおのめ文学賞サイトの感想板でもあまりにもどうしようもないと言われたり、それを受けて2ちゃんねるでもたしかにどうしようもない感じだったwとかコメントがあったんですけどね。それでも一次選考(=私の選考)以上最終候補作未満「ある夕刻に」「片思い」「雨脚」のエントリーはうおのめ文学賞的には意義があったと受け止めてるのだわ。

総論としてはここで挙げた作品って読みやすいんです。詩って、私の私による私のための独り語り(謎)、または小難しくて分かんないっていう両極端な認識があるようで、詩を読む人がその人の基準で普段詩を読まない人に向けて「この作品良いよー」と勧めても意外と反応としては???ってことが多いんですよね。少なくとも私はそうなの。で、そういう場合には今回の3編の方が反応は良かったりもする。

詩に興味を持ってもらう入り口としてはちょうど手頃な作品だと思うし、そうした作品がうおのめ文学賞というきっかけで読んでもらえるというのは有意義だと考えてるんです。うおのめ文学賞は背景からして小説の方が強いですし必然的に小説を書く人が集まる。そういう方々にも向けて。

あとうおのめ文学賞っていうイベントが例えば優秀賞になったらプロへの道が開けるだとか、少なくともどこの新人賞に出しても最終選考は堅いとかいうお墨付きを与えられるようなイベントなら良い作品だけ取り上げていれば良いんだろうけど、現実としては年に一回の力比べっていうイベントなんで次回に向けて目標にしてもらいやすい作品を挙げるってことも必要で、そこいらの考慮が奨励賞に「片思い」を挙げた理由だったりもします。

「雨脚」も奨励賞に推したかった作品。今回挙げた3編の中で完成度はこの作品が一番高かったと受け止めていますし、私も一定の評価を付けていました。あと他の部門の選考委員の一人がこの作品をかなり気に入ってたようです。ちょっと普通過ぎる形にまとまって作品が必要以上に小さくなったかなぁという感も。感情の吐露だけになりそうで踏みとどまってるようで、でも抑え切れずにぽろっと安易な言葉が出るような不安定さがそれはそれで片思いって感じもして、荒削りなんだけどなんとかしようっていう意志は作品から感じられる「片思い」の意気込みを最後は評価したんですけど、実は今でも「雨脚」を推した方が良かったかなぁとか。ちょっと思い悩んでいたり。いやいや、やっぱり奨励賞に推すことによるメッセージ性という点では「熱帯アメリカ」や「ロシアパンを売る少女」に分があるかな。うーん……。

ともあれ今回取り上げた3編に共通して言えるのは、前に挙げた通り読みやすい反面、テーマに対する掘り下げが乏しくてあっさりしすぎてる点。「ある夕刻に」は読み手のイメージを誘導する言葉と読み手のイメージに委ねる場面の配置がちぐはぐで、そこを解消できれば4連目でさびしさという言葉を使うことなく夕闇のような微妙な色合いのイメージを想起させる余地が生まれるし、「片思い」は全体として表面的な部分を追いすぎ。「雨脚」にしてもメインは雨としても最終連の望みの絶えると、あっさり答えを出して読み手が余韻に任せてイメージに身を委ねる余地を奪ってるのはマイナス。

読み流される前提での創作ならばいざ知らず、そうでない場合はある程度はテーマを掘り下げていかないと、読後の印象に残る作品にはならないものですからね。程度については作品の指向性に依存するでしょうけど。

投稿時刻: 12:07 | カテゴリ: /poem/events | 固定リンク

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