Life is a Flower.

詩の話とかWebっぽい話とか、とにかく雑多に。

2006年08月28日

うおのめ文学賞結果発表。

前回のエントリーでこれまで通り、うおのめ文学賞については経過毎に書ける範囲でちょくちょくエントリーを重ねていく機会があるでしょうし、文学賞の本サイト共々ちょくちょくと目を通していただけたら幸い、かもしれませんとか書きはしたけれど、正直仕事の方が忙しかった……。とか言いつつ、時間の合間を縫うようにお盆休みまでは文学極道でレス入れてたり、休み以後はあいえちゃん【誰?】とTCGABCDでネット対戦してたのはナイショだけど(笑。

さて本題。うおのめ文学賞についてなんですが、今回は選考(+各作品の寸評)だけじゃなくって詩部門の選評とかも書いてるのは既にうおのめ文学賞のサイトで公開されてる通りで、原稿量と時間が許す範囲でそれなりに書きたいことは書いたつもりです。が、選評ではほとんど触れられなかった最終選考時で挙がった意見とかを交えつつ補足をば。

結果発表の選評では(「熱帯アメリカ」「ロシアパンを売る少女」「星屑の停留場にて」の)最終候補作三編はいずれもほとんど遜色ありませんと書いたんですが、正直なところはやっぱ「星屑の停留場にて」がちょっと抜けてた印象があります。実のところ一番意見の割れなかった部門ですし。位置付けとしては概ね、

星屑の停留場にて >> 熱帯アメリカ > ロシアパンを売る少女

こんな感じ。「熱帯アメリカ」「ロシアパンを売る少女」もそれぞれの長所においては「星屑の停留場にて」と同等またはそれ以上のものを持ってるんですけど、作品の甲乙をつけるとなるとそれぞれの作品が持つ弱点が尾を引いた感があります。寸評でも取り上げている通りに「熱帯アメリカ」は視点位置、「ロシアパンを売る少女」は転調。このことから詩部門については、すごいとか優れているとかそういう以前に隙のなさで「星屑の停留場にて」が飛び抜けたとも言えます。

その「星屑の停留場にて」なんだけど、個人的な意見としては好みの問題も多分に影響してるんだろうけど、前回(第5回)優秀賞の「青い花」の方が良かったと思う。一つは今作の場合、外面/内面の両側から主題となる想いを掘り下げようとする試みからか交互に視点が映るんだけど、その頻度の都合で読む側としてはちょっと意識が散漫になりがちな(場合によっては混乱する)ところに「青い花」と比べた際の難を感じるんです。あと今作の場合おそらく主人公像がある程度イメージできないと訳分からなくなるのでは?という危惧もあったり。

で、ちょっと話を変えるけど、うおのめ文学賞の詩部門って主催のうおのめ倶楽部が小説主体ということもあって弱いんです。私が長らくメインで詩部門の選考に携わっているというのもその現れですしね。それはそれで時間をかけながら全体のベースアップを図っていければよいという話になるのですが、うおのめ文学賞で優秀賞に挙げるということは次回以降のベースアップのための一つの見本という意味合いも含まれてくることになるわけでして、現状を鑑みると「星屑の停留場にて」はそこからも飛び抜けている不安も感じてました。

単刀直入に書くと、うおのめ文学賞をきっかけに一年毎に少しずつベースアップしてみましょー。と声をかけてみて、見本はこれねー、って「星屑の停留場にて」を挙げて、でも大半は思ったことをそのまま書いてるわけで、見本と現実とのギャップが大きすぎて結局優秀賞として取り上げて提示する意味なくなる? とまぁそんな不安です。

んでまぁ、優秀作候補としては「星屑の停留場にて」を挙げつつ、その辺りを問題提起してみたら大江さんどころか最終選考の会議では全会一致で優秀作に決まっちゃいまして。私の抱いた不安は一体なんだったんだろう……。

実際「星屑の停留場にて」以上の評価を他の作品に出してるスタッフ、いませんでしたしね。

投稿時刻: 18:55 | カテゴリ: /poem/events | 固定リンク

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