詩の話とかWebっぽい話とか、とにかく雑多に。
2003年08月12日
エントリー作の第一印象。
前回開催時から引き続き、私が選考委員を担当している『うおのめ文学賞』の詩部門エントリー作、ひとまず一通り一読できたので、今の段階での感想。
まず前回から比べて全体的に作品の質そのものは上がってるように思います。特に
- 一方的に感情を吐露するタイプの作品
- 特定の単語が持つインパクトに頼った作品
が減ったのはいい傾向かなぁ、と個人的に思うところ。
ただその反面、作品の傾向が全体的に内向的でスケールの大きいものが少なくて、一部を除いてどんぐりの背比べっぽい印象を受けました。また今回のエントリー作の特徴として、
- イメージが拡散しっぱなしで掴みどころがない作品
- 締めで展開が集約しすぎて、必要以上にこじんまりとまとまった作品
の二極化しているような感じ。どちらのケースもテーマや題材が内向的なだけに、筆者という個人のイメージに限定された上で上記2パターンのどちらかで話が展開していくから、拡散する場合は受け手からするとその筆者を知らないと本当にイメージを抱きようがなくなるし、集約する場合は時に身の上話を他人の興味を惹くように修飾した感じになっちゃう。
その他目立ったところとしては
- 行間を読む(読ませる)といった概念がまだないからか、言葉の上での話に終わる作品が多い。
- 「ただ……」などの一言でテーマの本質や核心を覆い隠したまま、主観的な結果・事実を言葉で後追いするだけの作品も多い。
- テーマや題材と比べて描写や言葉の修飾の過多だったり、大げさだったりしてすごく上滑りした感じの表現が目に付く。
といったところかなぁ。
投稿時刻: 03:33 | カテゴリ: /poem/events | 固定リンク