減損会計
固定資産の減損会計とは、「資産または資産グループの収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価格を減額する会計処理」をいう。
即ち、減損は固定資産の「帳簿価格」と「回収可能性」(資産等を継続的に使用し、使用後に処分する事によって生み出されるキャッシュフローの現在価値と正味売却価値のいずれか高い方)を比較して、回収可能性がこれを下回っている場合にのみ計上されるものであり、損失の認識は行なっても、利益の認識はしないという点である。投資額の回収可能性に疑義が生じた時のみ認識が行なわれる。
これらの点(利益を認識しない点、決算期ごとに評価しない点)が、「時価会計」と決定的に異なる点である。
この会計の対象となる資産は、土地や建物といった「有形固定資産」、「無形固定資産」「投資その他の資産」である。これらは、販売を目的としないがために、利益の計上を認めないのである。
日本での導入は、アメリカでの導入が1995年12月からであったため、2002年4月1日開始事業年度を当初予定していたが、産業界の強い抵抗により導入は延期されていた。「企業会計審議会 固定資産部会」は、平成14年4月19日付けで、この減損会計の適用時期について、2005年(平成17年)4月1日開始事業年度(2005年度)から完全実施し、2003年度の決算についても適用する事を妨げないと公表した。
なお、税務上の処理に関しては明確になっていない。現行の減損処理はすべて「有税処理」であることから、この点は留意しておいた方がよいと思われる。
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