作品履歴

1992.10 春の里屋…
          春。とある村の外れにある一件の里屋、そこに住む老婆のところに、その春、息子が帰ってきた。
          道をはずれ、凶状持ちになり果てた息子が帰ってきた。
          老婆はそうとは知らず息子との再会を喜ぶ。
          その夜、里屋を二人の侍が訪れる。道に迷い、一晩の宿を申し入れる侍。
          しかし彼らは凶状持ちのなった息子を捕えんとする捕り方、更に内の一人は、
          二十数年前に半ば強制的に養子に出された老婆のもう一人の息子であった。

1992.12 秋の石垣…
          山奥に寂しく佇む古寺。大きく立派な石垣に囲まれている。その石垣のどこかの縁に、
          三千両という大金が埋められている…仲間からそう知らされ、盗賊・独り言の仁三郎が
          探しにやってくる。しかし誰もいないと思われていた古寺には、一人の侍・仲田真之介がいた。
          仁三郎はごまかしがてらに真之介と世間話をするが、
          やがて真之介の人柄に共感を覚えるようになる。
          それと同時に、真之介の心の奥にある何かを感じ取るようになっていった。

1993.6 何が本当に起こったか・園川英次郎…
          昭和四三年、熊本県のある町で起こった主婦殺し。捜査に当たった警部補・園川だが、
          捜査中に隣の主婦が、また反対隣の主婦が、次々と殺されていく。
          捜査を進めていくうち、徐々に浮かび上がる事実。
          借金、不倫、嫉妬、複雑な人間関係が引きおこした殺意、
          そして事件は一気に収束に向かっていくが…

1993.12 黒田越え…
          「黒田騒動」謀反の動きを事前に幕府に知られたこの事件を境に、
          九州黒田藩では、外部との往来を厳しく規制していた。
          伊島修太郎をはじめとする六人の若侍たちは、
          そんな藩から脱藩し、自由に生きる事を夢見る。
          だが、ことごとく計画は失敗、なぜか事前に知られてしまうのである。
          そんな時、藩士達の動きを厳しく監視しているという黒田面頬衆の噂が六人の耳に入る。
          果たして六人の脱藩は成功するのか?

1994.12 天紅地紫…
          「白の大地」で長い間戦いを繰り広げる二つの種族、スカーとイオレッツ。
           スカー勇軍の誇るコデオシマ収容局、
           そこの局長、ジエンはシシキバの異名をとり内外から恐れられる。
           捕らえたイオレッツ族に強制労働を強い、戦に勝つための大洞穴網を造ろうとするジエン。
           ある日、イオレッツ上流階級出身のサーペンがコデオシマに連れてこられた。
           サーペンはこの鉄壁の要塞からの脱出を企てるイオレッツ・ドシーパント達と出会う。
           同じ頃スカー本国からの視察団がジエンのもとにやってくる。
           しかし視察団の真の目的はジエンの失脚にあった。

1998.4 一人は星を見た、一人は泥を見た…
          昭和四七年、ある町を恐怖に陥れていた連続通魔殺人事件、
          その犯人が信用金庫に人質をとって立て籠もる。
          犯人は人格が突然変貌する病を抱えており、名前を広田景夫。
          警部補園川英次郎の部下・広田陽輔の弟であった。
          陽輔の気持ちを汲んで、園川は単身陽輔を潜入させる。やがて、行内から銃声が。
          突入する園川達、しかし拳銃が暴発し、景夫は死亡してしまった。
          不本意ながら事件は解決したかに見えたが、またしても不可解な通魔殺人が起こり始める。
          そして今度は陽輔が姿を消し、その疑いは陽輔へ向けられる。

1998.6 毒…
          昭和五三年、「フレッシュフェース二〇期生」の女優、美故と秀見。
          たった二人の同期生は激戦を勝ち抜けた「生き残り組」であった。
          日々の孤独と緊張を忘れたいと美故は秀見を自分の家に招く。
          しかしこの二人には同時にある演出家からの出演依頼の打信が届いていた。
          二人は互いの「生き残り」を祝して乾杯をしようとする。(創作映像用シナリオ)

1999.12 こちら、とっこう職員室…
          私立、東雲学園、後期直前の職員室。テストを採点している教師達のところへ
          「とっこう隊」とよばれるおちこぼれ生徒達が乱入してくる。
          この学園では成績の操作が行われており、おちこぼれの彼女達が不当の
          評価をされているという噂を聞きつけて、なぐり込みをかけてきたのであった。
          怒る生徒達と対処に迷う教師達。
          そんな生徒達の気持ちの強さを見せてみろと、教師の一人・名和はある勝負をもちかけた。

2000.3 喜劇・三枚のお皿…
          普段は常連客があまりつかないという、一種怪しい雰囲気のある喫茶「エンカウント」。
          最近、なぜか通い詰める中年男の姿があった。珍しさからか、世間話をもちかけるマスター。
          男はリストラで職を失い、果ては妻まで他の男に奪われてしまっていた。
          そんな折ある学生がマスターを訪ね、「父親を殺してくれ」とマスターに頼む。
          マスターは金で殺しを請け負う「始末屋」であった。
          が、まだ駆け出しで、30秒しか実力発揮できないと嘆くマスターに、
          中年男はいろいろとアドバイスをしてやるが…。

2002.7 筋書き大反撃…
          メジャーになるのを夢見て、日々怠惰に暮らすアマチュア劇団の4人組
          リーダーで筋書き担当の徹也、看板俳優の圭輔、声帯模写の祥子、細工師の浩一
          今日もプロオーディションにおっこちてしまう。原因が圭輔が昔ふられた彼女にいいよられて
          オーディションをボイコットしてしまった為と決め付けるが、その彼女に一癖ありそうな気配
          筋書きチームの反撃が始まった!(創作映像用シナリオ、制作終了)

2003.3 能無しの証明
          カスミ交差点で殺された男。捕まったのは連続婦女暴行犯、川口拓斗
          だが犯行を認めない川口。なんとか自供させるべく本庁から派遣された園川英次郎。
          巧みな手立てで川口を追い込む園川、ついに自供させた!
          誰もが本庁辣腕刑事の腕前に賛美を送るかと思った矢先、
          一連の犯行の内たった一つに無罪を主張する刑事がいた。園川英字郎本人であった。
          (創作映像用シナリオ、制作終了)

2005.12 筋書き大逆転
          ダメダメ劇団の中にあって唯一プロ現場で名前を馳せる細工師の浩一
          注目の大型映画「陽昇りて」の中で、ヒロイン・サンディ役、樫丘やよいが殺されるシーンでの
          大胆なトリックナイフの採用を、ライバルの細工師・刻(キザム)と争っていた
          大物女優と注目される樫丘やよいは、周囲に対していつもそっけないが、
          何故か浩一にはうちとけた雰囲気であり、浩一自身も少なからず、やよいに親しみを感じていく
          だが撮影本番の日、浩一の手がけたトリックナイフは本当にやよいの腹部を貫いてしまう
          失意の浩一を前に、徹也達、筋書きチームが動きだす!!
          (創作映像用シナリオ、未制作)

完成・未定 最後に笑え、鬼畜ども…
          伝馬町牢屋敷
          江戸の中で最大級を誇るこの牢獄の中で、最近病気によって罪科人が次々と死んでいく。
          が、それは実は「作造り」と言われる人減らしの為に行われる集団リンチによるものだった。
          そこで牢名主をなのる岩虎という男を殺すべく
          金で雇われた殺し屋、弥太平と庄兵衛、それに利助が牢内に乗り込んでくる。
          が、この岩虎の握る秘密を巡って、殺し屋達が、岩虎とその部下が、牢廻同心が、
          そして隠密までもが各々の術策をなして激突する。誰が最後に笑うことが出来るのか?

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