投稿日 | : 2008/09/04(Thu) 19:44 |
投稿者 | : 北崎誠司 |
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タイトル | : 都会を選んだら… |
雨が止まない
雨はどんどん降っていて
ベンチの上に置き忘れられたビニール傘を
窒息させ
老人の一人は
薄い目を開けて
「世紀末、我々はもう、何一つまともなコメントをすることが、できなくなり、焼きオニギリは1000円を突破するだろう」
頭を爆発させたキャシー
腕からザリガニの臭いがするジョナサン
誰一人
雨を止ませることはできない
超人的霊能力者であり
スピリチュアルの王である
キノハラタケノリを除いて
しかし
キノハラタケノリは
生憎
妻に金ケリを喰らい、
危篤状態なのである
老人は
濡れた瞼を擦り、
「世紀末、我々は」
と呟くと
倒れた
ジョナサンは自宅の玄関で練炭自殺を図るが
怖くて火をつける前に小便をもらした
キャシーは
5年間
爆発女と呼ばれて過ごした
「最悪だったわ」
と
15年後
キャシーは話した
そのとき
彼女の額には見事な焼きオニギリが実っていたという