投稿日 | : 2006/03/08(Wed) 22:36 |
投稿者 | : ロビン |
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タイトル | : 神秘的な天王星 例えば… 別れ |
それはさながら
平らな水面を流れる落ち葉のようだった
明け方に雪の上に咲いた たった一輪の花のようだった
無音の世界に浮かぶ宇宙船
少年は小さな窓から外を眺めていた
暗い闇 輝く無数の恒星
光の主は 生まれた瞬間なのか もはや死んでしまったのか
彼には解からない
ただ 恒星に寿命があることだけは知っていた
なんと永い一生を生きるのだろう
果てしない時の流れの中 気が遠くなるような距離を越えて
その一瞬にもならない自分とこの光とが 出会っている
少年はなんとも不思議な気分になった
窓の隣を 大きな惑星がゆっくりと横切った
メタンによって青白く見えるこの七番目の惑星は
太陽系の終わりが近いことを示していた
すべすべした球状の大きな石のようだった
それがぽっかりと浮かんでいる
あと二つ・・・
彼は心の中で呟いた
六十度に傾いた奇妙な自転軸で回るその惑星を
少年は黙って見送った