投稿日 | : 2006/03/08(Wed) 12:08 |
投稿者 | : 灼コー |
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タイトル | : 消された百合と名付けた廃屋 |
もう 何年も足を踏み入れていない この針葉樹の森は もはや人の出入りを拒むような シダや 蔦の絡まりに 覆われていた。
あの頃 植えた 白いユリの花 は 野草に喰われてしまったのだろうか・・ 可憐な姿は 跡形もなく 消えていた 。
幻影に誘われるようにもう少し 歩いて行くと ボロボロ に朽ち果てた 廃屋の 残象 が 見えてきたが それよりも 今でも変わらずに キラキラと輝いて 私の 零れだした瞳に反射する 白蝶貝の湖の囁きが なによりも うれしかった。