この投稿作に出された課題

「新宿と寂しい網走」というタイトルで作品を書く

眠らない都市がある　眠れない都市がある
そこには女を抱きたい男がいて　男に優しくされたい女がいて
猫は怯えながらもゴミ箱をあさり　犬は震えながらも暗闇で眠り

壊れ壊され　　　守り　守られ
作り　作られ　　　期待をし　裏切られ

光が途切れない街に　神は目を背け
時折見える暗闇に　人は人を知る

優しさも冷たさも　歌も踊りも　宝もゴミも
笑いも涙も　君も僕も　ネズミもゴキブリも
全てが危うい生を知っていた


さて同じ時間、違う場所では・・・・

気が付けば姿を消していた流氷
いや　消えていたのは流氷だけじゃなく

消えている　　消えている
あの赤ちゃんキツネは？　あの小鳥は？　花畑は？　あの子は？　

変化を好むものが　変化しない姿を求め
静かで　暗くて　眠りやすく　安らぐ場所へ足を運ぶ
密かに起こる　小さな変化に誰も気づかず　ただ見つめるのみ

「あなたたちにそんなことを言う資格はない」

大人になり　光の下へ
きれいに咲き　光の下へ
神に見放されるほど価値ある姿を持つものは　あの光の下へ　

季節は　年月は　静かに静かに動き
そして残るものは　表に出ない密かな生のみ