いつも、あきらめない感じの笑顔が輝いてた。
二人、通ったいつものシーサイドバー、そして潮のかおり
あの日を後に、遠く輝くハーバーライトさえ色褪せてしまった。
指先の感触さえ鮮明に記憶されている。
何も疑うことなく素肌のかおりに抱かれ、
その快楽はただ無心に深海へと進みゆく感じのようだった。
お前に大切なもの、それは時の流れに吸い込まれ
心の痛みを美しき裸体で踊らせる、はかない欲望だった。
いつの頃からだろう、次第に目をそらす会話に慣れ始めたのは。
ただお前のかおりを感じることだけが魂の色を燃やしてくれた。
触ることのできないこのハートビート、愛している
かおりのすべてを愛している。かおりの鼓動に共鳴できる
タイミングを俺の鼓動が止まるまで奏で続けよう。
今、一人シーサイドバーのドアの前、かおりの影を追うように
吸い切ったタバコを踏み消すとドアの向こうから潮のかおり。
あの日のようにハーバーライトも輝いているだろうか。

あーーーよかよか。なんかいいね。そう思うでしょ！かおりも。
俺って詩人。ちょっと違うもんね、他の人とね。
ふー、なんか「なんで俺ってバカなの」って思っちゃいますね。
まあ、いいか。小さいことは気にしない。
それにしても、久し振りじゃん。今度、飲みにくるんだよな。
俺もかおりに会えるのを楽しみにしてまーーす。
かおりはいい女だもんな。俺、彼氏立候補したいくらいだね。
なに、彼氏はいるのか？いたら飲みにいくの大丈夫なのか？
ちょっとぐらいはいいか。
でも、本当の話しで、今度一緒にライブ行かない？
もし都合がいいならライブ付き合ってくれー。
日にちがね、7月15日なんだ。この話しは他の人に内緒だぞ。
もし、行けるようなら連絡ちょうだい。そん時に詳しく話す。
返事はできるだけ早い方がいいなあーー。
じゃあ、元気で仕事がんばってね。
愛しのかおり！